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2022-5、御前崎〜静波で車中泊してきたのですが、
ハブベアリングから異音がある様です。
右のベアリングが傷んでいるのは分かっていたのですが、
異音が大きくなってきた様なので、とうとうメンテナンスしてみる事にしました。
ついでにブレーキが鳴きます。一緒にメンテナンスしようと思います。
このベアリングはステージアのハブベアリングの様なメンテナンスフリーのボールベアリングではなく、
テーパーローラーベアリングと言って、ナットの締め付けでガタを調整する(プリロード調整)必要がある様です。
トラックとか負荷が大きい車用で、定期的にメンテナンス(グリスアップとプリロード調整)する必要があるそうです。
一般的なテーパーローラーベアリングのメンテナンスの方法は(主にトラック用ですが)webにありますが、
トレーラー購入時に、AL-KO 社発行のサービスマニュアルを日本語訳した物をプリントアウトした物が添付されていました。
それによるとプリロード調整の方法は、
@回転に抵抗が出る所までナットを締め付ける。
Aナットを30°程戻し、割ピンを通す。
Bドラムがスムーズに回る事を確認する。
という感じです。
とりあえずジャッキアップして確認してみると、明らかなガタがある(特に右)事が確認出来ました。
ハブを分解してみます。ガタの大きい右側。
前回ハブキャップを外す事から大変だったので、ちょっと治具を作ってみました。
素材は3mm厚の鉄です。これをハブキャップの隙間に差し込んでハンマーで叩いて隙間を広げていきます。
2枚を重ねて6mmまで隙間を広げる事が出来ます。
この治具を使う事によって簡単に外す事が出来る様になりました。
使いまわすハブキャップのキズも最小限に収まります。
ハブナットが出てきました。割ピンを外してナットを取ります。
外側のベアリングとハブドラムが外れました。
内側のベアリングを外す為にはオイルシールを外す必要があります。
新品を用意していないのですが…。再使用出来る様に外す事が出来るのでしょうか。
傷つけないで外せる様に、またまた治具を作りました。
さっき作った治具の端をオイルシールに合わせて削り、
ベアリングとオイルシールの間に差し込み、裏側からハンマーで叩いて外しました。
おやおや…。中のバネがつぶれてしまいました…。再使用不可。
外側のベアリングと内側のベアリングの間にオフホワイトのグリースがあります。
ベアリングの近くのグリースは黒ですが、元々はこの色だったんでしょうね。
摘出されたベアリング。
外側のベアリング(上写真左)はガリガリになってます…。
メンテナンスでなんとかなるレベルではないですねこれは。要交換です。
内側のベアリング(上写真右)はスムーズです。
外側のベアリング(上写真左)はハウジングがなんか歪んでます…。
なんでこんな事になってしまっているのか…。
水が入って錆びたんですかね?コロがぶちぶちです。
軸は問題無さそうです。
ハブドラム側のアウターレースも綺麗です。問題ありません。
さてベアリングとオイルシールは手配出来るのでしょうか。
またホイールみたいにフランスから取り寄せないとダメなのかも…。
オイルシールには UE 40 52 8 と書いてあります。
もう古い車なので、これがAL-KO純正なのかどうかは分かりません。
調べてみると規格物でした。外径52mm、内径40mm、厚さ8mmの物。
武蔵 UE40528 を購入してみる事にします。
問題の外側のベアリングにはLM11749 と書いてあります。
KOYO LM11749R/10 を購入してみる事にします。
ついでに内側のベアリングですが、NTN 4T-L45449 JAPAN と書いてあります。
日本製でした。純正ではないんでしょうね。
これはスムーズに動いていたので交換しなくて良いかな。
良かった。全部日本で手配出来る部品で。
部品が届いたので交換していきます。
ハブベアリング用のグリースは、ワコーズのLCG-EP2 を選んでみました。
内側の大きい方のベアリングはグリスアップだけして再利用。
グリスアップはwebで良く見る、手のひらにグリースを乗せて、ベアリングに押し込んでいく方法です。
古い黒いグリースが反対の端から出てくるので、新しいグリースが出てくるまで続けます。
オイルシールにもグリースをたっぷり塗って、ハブに押し込んでいきます。
手で押し込んでから、その後は面一になるまで先程の自作治具を使ってハンマーで叩き込みます。
内側のベアリングと外側のベアリングの間の筒の内側にもグリースを盛っておきます。
外側の小さい方のベアリングは新品に交換です。
新品のベアリングはグリースが充填されていない状態でした。
同じく手のひらにグリースを乗せて、反対の端から出てくるまで押し込んでいきます。
ハブドラムを軸に挿して、ナットを取り付け、調整します。
> @回転に抵抗が出る所までナットを締め付ける。
との事ですが…。分かりません…。
グリースが新品なので始めからスムーズにクルンクルン回るわけではないので。
まぁまぁ強く締め付けてみても回転に抵抗が出てるんだかなんだか…。
少し走ってみてグリースが馴染んでくればもうちょっと分かりやすくなるのかな?
とりあえずナットを締め付ける抵抗が大きくなった所から30°戻して、
ガタが出ない程度にしておいてみました。
少し走った後にまた調整してみる事にします。
ついでに最近ブレーキがキーって鳴ってます。
掃除してグリスアップして、ブレーキシューの表面をヤスリで軽く磨いておきます。
静かになってくれるかな?
掃除前のブレーキシューの組み方を残しておきます。
上写真は右側です。上のブレーキシューに384.296と書いてあります。
下のブレーキシューは384.481です。裏側に書いてあります。
上写真は左側です。同じく384.296が上側ですが、書いてあるのは裏側。
下側の384.481は書いてある面がこちらを向いています。
左側はハブドラムが入らなくなってしまいました。
ブレーキシューの調整をやっておきます。
ダイヤルが回らないので、5-56で回る様にメンテナンスしておきました。
2022-6、山中湖までお散歩してきました。
ハブベアリングを交換したので、プリロードの調整が問題無いかどうかの確認が主目的です。
その結果、ブレーキの鳴きは残念ながら治っていませんでした…。もう一度良く掃除してみます。
前回左はブレーキシューの調整をしたので、ついでに今回は右もやっておく事にします。
あと、ハブキャップからグリースが漏れてきてました。
これはハブキャップで密閉出来ていない→雨水がハブベアリングに入ってしまうという事ですね。
改めてハブベアリングを分解してみます。右から。
プリロードの調整ですが、やはり分かりません…。
Y30はフロントがテーパーローラーベアリングを使っているのですが、
Y30のサービスマニュアルにプリロードの調整方法が書いてあったので参考にしてみます。
@ロックナットを3.5kg-m〜4.0kg-mで締め付ける。
Aハブを数回往復回転させ、ベアリングをなじませた後、再度、上記規定トルクで締め付ける。
この作業をトルクが落ち着くまで数回くり返す。
Bハブが滑らかに回転する事を確認し、ロックナットを45°ゆるめる。
C割ピンを入れる。穴位置が合わない場合は、締め付け方向に回して合わせる。
とあります。
トルクレンチをセットしてナットを締めてみますが、2kg-m位でもうこれ以上締めて大丈夫かな?な感じです。
> @回転に抵抗が出る所までナットを締め付ける。
2kg-mで締めた状態だと若干抵抗は出ている気はするのですが…。
Y30の調整方法の3.5kg-mを2.0kg-mに読み替えて、45°戻して完了としました。
次に左のプリロードの調整。
こちらは1kg-mでホイールの回転に明らかな抵抗が出ました。
なので、そこから30°戻し、割ピンを通しておきました。
割ピンはいつも再利用しているのですが、折れてしまいました…。
純正の割ピンのパーツナンバーは700194、4x32です。こちらを購入しました。
折れてしまったのは割ピンの長い方の足、短い方を折り曲げてとりあえず使います。
それから、ハブキャップには液ガス(日産1218B)を塗っておきました。
またまた近場にお散歩に出かけてみます。
その結果、ブレーキ鳴きはやはり治りません…。
もうブレーキシュー交換するしかないんですかね…。
このトレーラーのブレーキ回りはalko 1636 というシリーズの様です。
ブレーキシューは、1213888が適合する様です。
71.6ユーロ、1万円程+別途送料と税で1.4万円程かかると思います。
日本で購入する事も出来る様です。輸入するのと大して変わらないですね。
ブレーキシューの張り替えという方法があるんですね。検討します。
ハブ(ホイール)は左は程々に温まっているのですが、右はちょっと熱くなっていました。
やっぱりちょっと締め付け過ぎなのかな?
→右のハブの調整をやり直しました。
ナットの締め付けに抵抗が出た所(0.1kg-m位でしょうか)で、
ホイールの回転にも軽く抵抗が出ている様な気がします。
なので、そこから30°戻して完了としました。
ガタはありません。
ついでに割ピンが届いたので、左のハブの割ピンを新品に交換しました。
ハブキャップに液ガス(日産1218B)を塗って完成。
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