草刈機 makita MEM262W

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嫁さんのお父さんの草刈機です。取扱説明書はこちら。

草刈機は何台も持っているのですが…。親戚からの頂き物です。

 

 

 

スプライン摩耗修理

2022-7、エンジンは調子良く回るが刃が回らないとの事。

エンジンかけて回してみると、とりあえず刃は回っている様ですが、

遠心クラッチ辺りからギャーって音がしたりしなかったり。

とりあえず分解して遠心クラッチを見てみます。

草刈機の遠心クラッチってあんまり良く知らないのですが…。

摩擦材が貼ってあるんじゃないんですかね?ドラムブレーキのブレーキシューみたいに。

Zenoahのとかそうだったと思うのですが。

これは完全に金属です。摩擦材使い果たした状態?

でもこの部品(168672-8)をwebで調べてみても新品も摩擦材が貼ってある様には見えません。

→追記:焼結クラッチというそうです。

 とりあえずブレーキクリーナーで掃除だけしておきます。

 

webで調べるとmakitaは刃の所のギアとかシャフトのスプラインが弱いんだとか。

クラッチドラムを手で回してみても、刃が回ったり回らなかったり。これはおかしい。

クラッチドラムから先を分解してみます。するとすぐ発見出来ました。

ドライブシャフトのエンジン側のスプラインの先の方が傷んでいます。

その相手側、クラッチドラム側のスプラインはこちら。

写真だと判り難いですが、手前の方(刃側)のスプラインは全部無くなっています。

奥の方が少しだけ残っています。

これじゃダメですね。部品を手配する事にします。

クラッチドラムコンプリート 168675-2、\2200+送料\550=\2750。

 

と思ったのですが、交換したところでまた同じ事になってしまう様な気がしてきました。

部品を買う前にもうちょっと調べてみます。

そもそもドライブシャフトの位置の遊びが大きいんですよね。測定すると10mm程ありました。

ドライブシャフトをクラッチドラム側に寄せれば、残っているスプラインでまだ使える様です。

ドライブシャフトの刃側の相手側のスプラインの深さは24mm。

10mmのスペーサーを入れても14mmスプラインがかみ合っている事になります。

という事で10mmのスペーサーを作る事にします。

M5のネジから10mm切り出して作りました。

これをスペーサーとしてドライブシャフトの刃側の相手側の穴の中に入れる事にします。

これでドライブシャフトは遊び無しでクラッチドラム側に寄っている事になります。

ドライブシャフトのしなりとか熱膨張とか考えると遊び無しもちょっと怖いかな…。で、

クラッチドラム側の取付位置で数mm遊びを作っておきました。

これで部品交換無しでまた使える様になりました。

 

2週間後。また同様にエンジンは回るけど刃が回らないと。あれ?

見てみると、前回作ったスペーサーは無くなってしまっていました…。

そっかぁあそこに入れても削れてしまうんですね。考えが甘かった…。

という事で別の方法を考えます。

その結果、パイプを短くしてしまうしかないという結論になりました。

刃側のパイプを1cm短くします。

位置決めのボルト穴(Φ6mm)を1cmずらして開けて、グラインダーでパイプを1cm切断。

切断面はヤスリで整えておきます。

また使える様になりました。

それから刃の所のギアを分解して掃除したい所です。

前回のスペーサーを全部呑み込んでしまっているので。

だったのですが、ベアリングが圧入されていて取れません…。

グリス圧入だけしておきます。

 

 

 

クラッチ交換

2023-7、クラッチが滑るからなんとかして欲しいとの事で、修理してみます。

焼結クラッチというそうです。

チェーンソーでよく使っているクラッチだそうです。

普通の刈払機のクラッチは、ドラムブレーキと一緒で摩擦材が貼り付けてあるそうで、

それだと摩擦材を使い切っている様であれば寿命、交換って判断出来るのですが、

焼結クラッチという物を初めて見たのでこれが寿命なんだか判断できません。

見た目、表面がツルツルしていて、これで大丈夫なの?って感じです。

 

この刈払機で草刈をしてみると、確かにクラッチが良く滑っている様です。

草が絡まって刃の回転が止まると、元の回転数に戻るまで時間がかかります。

 

修理の様子を動画撮影してみました。

 

新品のクラッチは、168672-8。こちらで購入、\2,750でした。

これを交換したいのですが、どうやって取り外すのか、

WebやYouTubeで検索しても参考になる情報が見つかりませんでした。

刈払機の摩擦材が貼り付けてあるタイプとは構造が全然違うし、

チェーンソーの焼結クラッチではナットで固定してあったり、専用工具が必要だったり。

やってみないと分かりません。

ここが17mmなんですよねぇ。

で、ノートのオルタネーターオーバーホールの時に購入した専用工具。

FF車のワンウェイクラッチを内蔵したプーリーを取り外す為に必要になります。

これをここの隙間に入れて、メガネレンチにハンマーでインパクトを与えて取りました。

17mmのナットやボルトを使っても出来るかもしれません。

新品との比較。

上側のザラザラなのが新品、

下側のテカテカなのが滑るやつです。

下側の左端が少しテカテカしてないとこが焼結の摩擦材が残っている所ですかね。

 

交換して組み立て、また草刈りしてみます。

その結果、滑り難くなりました。

でもゼノアBC2300よりは滑り安い様な…。作業に支障無い程度ですが。

まぁでも新品クラッチなのでこの機種ではこれで新品同様なはずです。

 

 

 

点火プラグ交換

2023-9、調子悪いそうなのでZenoah BC2300 と共に修理しました。

クラッチも新品に交換して絶好調だったハズのこのmakita MEM262W、エンジンかかりません…。

 

Zenoah BC2300 のページに書きましたが、

ぢぃちゃん(嫁さんのお父さん)はメカの知識が全く無いのに自分でいじりたい人です。

そんな人がいじっちゃう所が点火プラグ。新品に交換するだけであれば簡単だし安価ですし。

ただ、それで調子が良くなるはずは無いんですけどねぇ…。良くなった気がするんでしょうきっと。

私は点火プラグなんてそう簡単にダメになる部品じゃないと思ってます。

今までも頻繁に新品に交換していた様です。もったいない。

でもプラグ周り汚れ放題のままで畑の土の上で交換しちゃうんですよね。

土とか砂とか草とかシリンダの中に入り放題に見えます。

上記の様にぢぃちゃん所有のエンジン式の農耕機のシリンダ、ピストンはみんな傷だらけ。

これが原因である可能性が高いので、プラグ交換をしちゃダメとは既に何回も言ってるんですけどねぇ…。

その時はわかったと言うものの、調子悪くなったから治してくれと持ってくる時はいつもプラグ交換しています…。

 

それからこないだとんでもない行為を見てしまいました。

点火プラグを外して先端を紙ヤスリで磨いています…。

いやぃゃ…。点火プラグが何する部品か知ってます?

プラグのエッジを削り落とすってプラグをダメにする事が目的ですか?

しかもその紙ヤスリに接着してある鉄を削る為の研磨剤ってプラグのカーボンとかに付くと思います。

まさかそれをシリンダーに差し込むつもり?平気で差し込んでます…。

クラッチ交換以来ぢぃちゃんはシリンダーに研磨剤を補給し続けていたんですね…。

点火プラグを触っちゃダメと嫁さん(娘)とばぁちゃん(奥さん)も一緒にかなり強く改めて言っておきました。

 

このmakita MEM262W の純正点火プラグはNGK BM7A 、ギャップは0.6mm〜0.7mmです。

ぢぃちゃんが取り付けていたプラグはBPM8Y 。熱価が異なります。

同時に修理したZenoah BC2300 にLD L7T というプラグがついていたのでこれに交換しておきます。

エンジンはなんとかかかる様になったものの、温まると止まるし白煙がなかなか。

KURE エンジンコンディショナーをシリンダの中に吹き込んで掃除します。

更にエンジンかけてキャブからも。

あとは、ぢぃちゃんは余計な事はする(プラグ交換とか)のに掃除は全くしない人なので、綺麗に掃除しておきます。

修理の基本は掃除です。オイルでどろどろだと不具合も隠れてしまいます。

もう多分ピストン、シリンダ傷だらけなのでまだ高回転で白煙が出ますが、

エンジンがちゃんと回るし止まらないで作業出来る状態まで調子良くなりました。

 

 

 

 

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